みなさんのお住まいの近くには、お地蔵さまがいますか?
地域によって、お地蔵さまを見かけることはほとんどないという場所もあるかと思いますが、ここ高槻にはたくさんのお地蔵さまがいます。(市内に300はあるといわれるほどで、住宅街のあちらこちらで見られます。)
もともと、お地蔵さまは、室町時代に京都から広まったといわれ、近畿地方を中心に、北陸地方、新潟・長野市周辺で(関東や東海地方ではあまり見られないのだとか)「地域や子どもたちの守り神」「地蔵菩薩」として市井の人々に信仰されてきました。
そして、現在も、地蔵盆(じぞうぼん)の時季※になると、地域の方々がお地蔵さんの体を洗ったり、飾りつけを新調したり、お供え物をしたりと大切にされています。
※地蔵盆は、地域によって異なりますが、一般的に毎年8月23日、24日に行われます。
昔からたくさんのお寺があった「富田(とんだ)地区」は、コロナ前に地蔵スタンプラリーが行われていたほど、たくさんのお地蔵さまが祀られており、中心部だけで十数のお地蔵さまの祠(ほこら)が見られます。
※富田地区は阪急富田駅・JR摂津富田駅が最寄り駅のエリアです。詳細は下記MAPをご参照ください。
そんなお地蔵さまですが、全国的に珍しい(らしい)のが、白化粧をしているお地蔵さまが多いこと。高槻にいるお地蔵さまのうち、8割ほどが化粧をしているようですが、富田地区のお地蔵さまもやはり化粧をしているものが多く見られます。
お顔が白く塗られ、目や眉もメイクされているので、どことなく愛くるしく、表情豊かに感じられるお地蔵さまは、地元の方々にとってはお馴染みですが、その風貌は全国的に珍しいようです。
※富田地区の地域によっては、子どもたちが化粧直しを手伝うところもあるそうです。
また、お地蔵さまによっては「出世地蔵」「延命地蔵」など、願掛けの名前がついているのも面白いところ。下の地図は、約10年前にリサーチしたときに、お地蔵さまがあった場所に赤印をつけたもの。最新情報ではありませんが、ご興味を持ってくださった方には、ぜひお地蔵巡りをお楽しみいただければと思います。
出典:高槻ええとこBook(高槻市)
今年もまもなく、地蔵盆(8月23日(火)、24日(水))を迎えますが、一昨年、昨年はコロナ禍ということもあり、飾りつけをしているところ、していないところと対応が異なり、今年も各自治体で対応が分かれるところだと思います。ですが、今も富田の夏の風物詩であることに変わりありません。
さて、最後に番外編になりますが、高槻のお地蔵さまの中でも、とても大きいお地蔵さまをご紹介します。それは、富田からは少し離れた唐崎地区(唐崎4丁目)にある唐崎南之口地蔵堂に祀られています。
おそらく座禅姿で1メートルほどある立派なお地蔵さまで、ふだんは格子の窓の隙間から見ることしかできないのですが、毎年地蔵盆のときには開かれます。