本日は、子どもにも大人にも人気を博している企業博物館、「JT生命誌(せいめいし)研究館」をご紹介します。
みなさまの中には「生命誌」という言葉になじみのない方もいらっしゃるかと思いますが、生命誌は『人間も含めてのさまざまな生きものたちの「生きている」様子を見つめ、そこから「どう生きるか」を探す新しい知である』と、JT生命誌研究館ではさまざまな表現で説明しています。
上写真(館内の展示品)は、現館長がJT生命誌研究館のシンボルと話す「生命誌絵巻」ですが、今、地球上に生きている生きものは、すべて38億年前に生まれた最初の生命体を祖先とする仲間で、生命誌絵巻は、生きものの世界がもつ「つながり」と「広がり」が表現されています。
この絵が象徴するように、このミュージアムには、地球の生命体が38億年の間にどのように進化してきたかを興味深いエピソードとともにさまざまなものを展示しています。また、ある生きもののゲノムDNAを調べることでわかった研究成果などを身近に感じられる形で紹介していたりと、訪れた方がそれぞれに「へぇ~、そうなんだ!」という驚きにあふれています。(例えば、クジラとカバとイノシシでは、見た目はカバとイノシシが四足歩行で似ていますが、DNA(遺伝子)で比べるとクジラとカバが近い…といった話が随所で紹介されています。)
館内1階、2階は、地球上に生きる生きものに関わる研究でわかってきたことをさまざまな角度で紹介されています。イラストや映像などをつかった視覚的にわかる展示も、科学初心者には嬉しい。
人間を形成する10~100㎛(マイクロメートル)の真核細胞を巨大化したオブジェが目を引く細胞展(上・下写真)。
大人でも知らない情報が満載なので、お子さまには少し難しい内容もありますが、それでも子どもたちに科学のおもしろさを知ってもらおう!という創意工夫を全体に感じるミュージアムなので、ご興味を持ってくださった方はぜひ訪ねてみてください。
街で暮らす多くの人は、周囲は自分たちと同じ人間、そして人間がつくりだしたモノに囲まれて過ごしているので、他の生きものにまで目を向ける時間がなかなか見出せませんが、だからこそ、生命の38億年の歴史、科学のお話は目を開かせてくれますよ。
JT生命誌研究館
住所:大阪府高槻市紫町1-1
開館時間:毎週火曜~土曜日 10:00~16:30
※休館日 毎週日曜日と月曜日、年末年始(12月29日~翌年の1月4日)
料金:無料
TEL:072-681-9750(代)
Web:https://www.brh.co.jp/
アクセス:JR高槻駅より徒歩約10分、阪急高槻市駅より徒歩約18分
駐車場:10台